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グラフィック特集:ポスターデザイン編01


グラフィック特集:ポスターデザイン編

新たなる表現方法の模索と挑戦!! 》

今回で30周年を迎える記念すべき大会のポスターデザインを担当させて頂きました。

30回記念大会にふさわしいデザインになるようにアイデアや構想などを練り上げて、時間をかけて取り組みました。

選手の力強さ、肉体にみなぎるエネルギーや生命力、己への挑戦、ライバルとの闘い、レースの過酷さやゴールへとひたむきに進む姿勢、躍動感、ゴール後の達成感など・・・

トライアスロン競技に凝縮されるキーワードを昇華して、新しい表現方法を模索しながら今回のポスターデザインを創りあげました。

第30回指宿トライアスロン記念大会ポスター

このポスターを見て、どのように伝わるのかは大変気になるところですが、今回はこのポスターのデザインがどのように進められて完成したか、アイデアや発想をカタチにする過程を取り上げて解説してみたいと思います。

まず、イラストを製作するにあたり、最初からパソコンに頼るのではなく、またトライアスロンに取り組む姿勢や選手の力強さや忍耐力、レース中の息遣いなど等々を伝えたくて、ペン画によるデッサンを書き起こしました。それが以下の3点です。当初そのままそのペン画のラインを採用する予定ではなかった為、かなりラフな感じで書いています。また、スイム・バイク・ランでも筆圧や陰影のつけ方もバラバラでした。

スイムのデッサン画

こちらはスイムのデッサン画です。この時点では参考にした写真の関係でポスターとは逆向きです。

バイクとランのデッサン画

この時点ではかなりラフな部分もあり、自分でもそのままポスターに出来るとは思っていませんでした。

この3枚のデッサンをスキャンして取り込み、イラストレーターの画像トレース機能を使って線画のデータだけを抽出します。そこから線情報だけのパスデータや面情報のパスデータに分けてレイヤーで重ねて思考錯誤しながら最初に出来たのが下の第一案です。かなりインパクトはありますが、硬質的でちょっと暗い印象です。

思考錯誤の末、ペン画で書いていた黒い線データをレインボーカラーのグラデーションに置き換えました。それから下のレイヤーに重ねたシルエットの面情報はホワイトから濃いグレーまでのグラデーションにカラーを設定しました。インパクトはあるものの、まるで金属で出来た(ターミネーターのようで)あまり人間味を感じられない印象になってしまいました。ですので、このあともいろいろと思考錯誤を繰り返します。

途中、全体的に落ち着いた雰囲気にしようと、ゴールドバージョンも作ってみました。ここで決定でも良かったのですが、少しインパクトにかけるかも知れないという気持ちがどこかあり、このあとも暗中模索を続けます。

最終的には最初に作った案の線データの太さを大きくして、シルエットの面データを白一色にすることでエネルギーが満ち満ちているような雰囲気を表現出来たのでは・・・と思っています。

決定デザイン案の一部分拡大

ポスターでもこのくらいの発色があればよのですが・・・オフセット印刷では少しラインが収縮して色のトーンも少し落ちてみえるのが残念ですが、そこはPC画面の見栄えとオフセット印刷などでの永遠の課題ですので今後も勉強して克服してゆきたいと思います。

一番最後の画像はポスターが仕上がった後で、もっとこうすれば良かったとか、もっと違ったアプローチで表現したほうが多くの人に受け入れられる(見やすい)デザインに仕上がったのではという、自分への問いを検証するために

改めて別の方法で創ってみたバージョンです。線データが複雑なイラストですので、もっと遠くから眺めて全体的にイメージが伝わる表現に変えてみました。ポスター案よりはずっと全体的に柔らかく明るい雰囲気になりました。

ポスターとは違う雰囲気のバージョンを製作

実は大会プログラム用に用意しましたが採用にはならなかった為、このまま埋もれてはもったいない気がしたので

今年の協賛品の特製ステッカーのデザイン案として採用しました。また、この案のメリットは今回作った特性ステッカーのサイズでもはっきりとシルエットして認識できる点が良かったです。

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